【働き方改革!こんなところに優良企業】げんき堂鍼灸整骨院&げんきリハビリデイサービス【さかにゅー求人】:

働き方改革でキラリと輝くようになった注目の優良企業を紹介する【働き方改革!こんなところに優良企業】のコーナー。今回ご登場いただくのは「げんき堂鍼灸整骨院」と「げんきリハビリデイサービス」を経営する株式会社ヒューマンライフさんです。多店舗展開しており、明るいオレンジ色の看板を掲げたビルをまちかどで見かけたという方も少なくないでしょう。実はこのビルは自社物件で、上層階は従業員の住まいとして格安で提供されているのだそうです。文字通り元気な企業の秘密はどこにあるのか、2018年1月にオープンしたばかりの方違前店で三人の方にお話を伺ってきました。

 

■恵まれた居住環境と支援で仲間同士高め合う関係に

▲方違前店の院長長崎仁宣さん。

 

インタビューのトップバッターは、方違神社のお向かいの方違前店一階にある「げんき堂鍼灸整骨院」の院長長崎仁宣さんです。
――若くして新店舗の院長を任された長崎さんですが、なぜこのお仕事につかれたのでしょうか?
長崎「学生時代は部活でスポーツをしていて、疲労骨折の治療などで整骨院のお世話になる機会も多かったのです。教師にもなりたかったのですが、テーピングする姿などが格好良くて、こちらの道を選びました。専門学校で学んだ後、地元の整骨院で働いていたのですが、自分のやっている治療がどんな程度か比べるものがなかった。それで外の世界を知りたくなって転職しました。げんき堂では接客の仕方や考え方も含め、何を基準として治していくのか治療の仕方も納得できました」
――げんき堂のオーナー自身は柔道整復師ではないそうですが、グループ全体ではどうやって治療の方法や理念を決められているのでしょうか?
長崎「オーナーとは別に総院長がいて、院内の勉強会などでグループのやり方を合わせていきます。うちの特徴としては筋肉をちゃんと使えているのかをまず見ます。痛めている筋肉を特定して、そこから何が悪いかを特定して治療にあたります。そのため、最新の機器も導入し、生理学や解剖学の勉強もしています」
--内臓の悪い方とかはどうなのでしょうか。
長崎「そういう方は施術する時に体に触れただけで悪い所がすぐわかることも多いですね。胃腸なんかは特にそうですし、肺が悪いと肌に、肝臓が悪いと筋肉に出たりします。そういう時は鍼灸も使います」
――西洋科学的なアプローチと、東洋の鍼灸と両方をうまく使いこなして治療するのですね。

 

――会社からのサポート体制や福利厚生面としてはどんなものがありますか?
長崎「生活面でいうと住居ですね。こちらのビルだと3階と4階が単身者向けとファミリー向けの住居になっていて格安で住むことが出来ます。私も今は別の店舗に付属している単身向けの部屋に住んでいるのですが、近々結婚を考えていて、結婚したらこちらのファミリー向けの部屋に移ろうかと思っています」
――同じ建物に住んでいると、従業員同士の距離感も近くなりそうですね。
長崎「店舗同士の協力体制もありますよ。ある店舗に利用者様が集中して忙しくなった時は他店舗からすぐに応援にかけつけたり、デイサービスの送迎の手が足りない時に整骨院から手伝いに行くようなこともあります。助け合いが当たり前になっていますね。うちで働くアルバイトの学生も住んでいるのですが、試験が近くなると仕事が終わった後に、免許を持っている私などが先生役になって教えてあげることもよくあります」
――社員だけじゃなくて、アルバイトでも入居可能なのですね!
長崎「ほとんど社員なみに働いてくれている子なのですけれど、社員とアルバイトの区別はないです。これはオーナーの人柄でもありますね。フットサルやバーベキューのイベントを開いてくれて、家族や身内も招いて一緒に楽しみます。結構、若い子の方がイベント好きで、計画して旅行やボーリングに一緒にいったりしてプライベートでも仲がいいです。さらに、私用でも会社の車を使っていいので、これも嬉しいですね」
――それも普通はなさそうなサポートですね。
長崎「他では聞いたこともないですね。資格取得についても、外部の勉強会にはすぐ行かせてもらえて、資金的な援助もあります。資格を取れば手当がついて給与の面でもステップアップしますし、何をすすれば給料があがるのかわかっているから頑張りがいもありますよ。ここでアルバイトをしている学生の子は、私が学生だった頃と比べたら2倍ぐらい給料が違います。私ももっと早くここに移れば良かったと思っています(笑)」


――長崎さんはすでに院長になられたわけですが、今のモチベーションってなんでしょう?
長崎「私も昔バスケ部でしたから、近くの学校のバスケ部の生徒さんを治療した時は、試合に出ているのを見にいったりしました。利用者さんが元気になって活躍していると嬉しいですね」
――では、これから先の目標はなんでしょうか?
長崎「将来的には自分で店を持ちたいという目標があります。オーナーも応援してくれていて、こんな機械を置きたいという私たちの提案も受け入れてくれるのですが、それが開業した時の予行演習になっているとも思います。先日もオーナーは独立する従業員の相談に乗って、書類の書き方からアドバイスしてくれていましたよ」

生活面からキャリアにいたるまで、分厚いサポートが従業員のモチベーションや連携を高めているのが見て取れました。では、げんきリハビリデイサービスのお話を伺いに2階へ向かいます。

▲フットサルイベントで汗を流す。

 

■意見が言いやすい風通しのよい環境

 

▲金井邦代さん(左)とオーナーの林純治さん(右)。

 

送迎も終わったげんきリハビリデイサービスの室内には、利用者さんが集まって座ったままのトレーニングをしている最中でした。

二人目のインタビューは、同じ建物の二階にあるげんきリハビリデイサービスの管理者である金井邦代さんです。金井さんは、オーナーとは10代の頃に職場で出会った知り合いで、ご主人もオーナーと友人関係にあるなど、もともと家族ぐるみのお付き合いがあったようです。
――金井さんはどういう経緯でこちらに働くことになったのでしょうか?
金井「私は平成15年にヘルパー2級の資格をとって、もともとは障がい介護の分野で働いていました。オーナーから、こちらでデイサービスをするので手伝ってほしいと頼まれたのですが、障害と介護では分野が別なので最初は断っていたのですけれど、結局デイサービスの素人ばかりが集まって一緒にすることになったのです」
――それは何年前ですか?
金井「平成24年ですから、昨年が5周年でした。オープン当初は2か月ぐらい誰もこなくて閑古鳥が鳴いていましたけれど、ぱどさんに広告を打ったことで最初のお客様がいらっしゃって、そこから口コミもあってなんとかお客様にも来ていただけるようになりました」
――こちらはトレーニングをするリハビリデイサービスということですが、整骨院と同じグループであることをデイサービスで活用していたりはするのでしょうか?
金井「そういうことはまったくありません。整骨院とデイサービスは別のものです。ただ、デイサービスのお客様が整骨院を利用されたり、整骨院のお客様がデイサービスに来られたりすることはあります。そういった共通のお客様については情報の共有はしています」

▲家族も呼んでバーベキューパーティーも。

 

――整骨院の長崎さんからは、福利厚生として格安で住居が借りられるとお聞きしましたが、それはデイサービスの従業員でも同じですよね
金井「そうです。私のように自宅から通勤しているものもいますけれど」
――勤務する環境としては、他にどういう特徴がありますか?
金井「お休みもしっかりあって、残業もほとんどありません。資格をとっていけばベースアップして、役職・管理者の手当てがつくのも整骨院と同じですね。福祉施設も大きい施設になると規則がガチガチにあったりするのですけれど、うちはそういうことはないです。月一回デイサービスの店舗が集まってミーティングがあるのですが、そこで意見が言いやすいですね。オーナーにも直接意見を言うことができて改善がすぐに出来るのです」

最初はお客様にも恵まれなかったというデイサービスですが、こちらも短時間で店舗を増やしているのは、従業員からの意見に耳を傾けるオーナーの柔軟な姿勢、フットワークの軽さがポイントのようです。では、いよいよオーナーに話をお聞きします。

 

■好循環のスパイラルを回している

 

従業員ばかりかアルバイトにも住居をはじめとした様々な破格の待遇があるのは一体何故なのでしょうか。最後に登場していただくオーナーの林純治さんに、その意図を聞いてみましょう。
――どうしてこうした手当を取り入れているのでしょうか?
林「私どものような小さな企業では給料は上げにくいものです。だから、家賃補助で住む所も格安で電気・水道・ガスもただにしたのです。私たちが若かった頃は車が流行っていて、そのローンに追われていましたが、自動車を持てばガレージ代や保険の加入が必要で生活にはボディーブローのように効いてきます。暮らしにかかる目に見えない所の支出は案外多いものですから、それをサポートするという考え方です。通勤時間だって時間のロスと言えますから、近所や店の上に住めばすぐに出社できるようになってロスが減ります。従業員はお金や時間で余裕が出た分を新しいチャレンジに回せたらいいじゃないですか。私は自分の若い時の経験もあって、そうしたいと思ったのです」
――それにしても、時代はリストラブーム以降、人件費をカットし低く低く抑える傾向が長く続いていますが、それとはまったく逆行するやり方ですね。
林「はい。まったく逆ですね。私は変わっているのです。私自身は(柔道整復師や介護士などの)免許を持っていないので全部人にやってもらうしかないので、普通の企業の感覚でいるのです。私の若い時は終身雇用制が嬉しかった。それがあったので安定して、一所懸命生きることが出来た。だから、今度は従業員の全員社員化に取り組みはじめています。安心した会社にいれば、いい仕事が出来るでしょうから、うちで働いてくれている人にはそれを標準にしていきたいですね」

 

 

――従業員への手厚いサポートをした成果は何か感じておられますか?
林「はい。伸びるスピードが本当に早いです。自主的にやるから、普通10年ぐらいかかる成長を3年ぐらいで果たしてしまう。それにまるで高校の部活のように、結束力がありますね。仕事におけるコミュニケーションがとてもいい。特にミーティングを開かなくても、勝手に問題を解決したりする。基本、スタッフが自分でなんでもやろうとするマルチタスクな人間になっていますね」
――先ほど、長崎さんから自主的に夜中に学生に勉強を教えているという話も聞きました。
林「みな自然と優しいところがあると思います。杓子定規じゃないところもいい。遅くやってきた患者さんがいたら、時間通りに終了するのじゃなくて時間を越えても治療してあげるとか、高校のサッカー部の子が悩んでいた時に、夜遅く来て体幹トレーニングをさせてあげたこともありました。なんといっても笑顔が多いのがいいなと思います」
――そうした優しさやゆとりが生まれるのも、ブラック企業とは真逆の環境、これだけ手当が厚くて時間的にも余裕がある環境にいるからのようにも思います。では、時代に逆行するような方針で林さんが会社を運営されたきっかけはなんだったのでしょうか。
林「私はもともと不動産の営業や、自動販売機の設置と引き上げ、遠隔カメラの設置など様々な仕事をしてきました。この仕事をはじめたのは平成18年で、会社にしたのは19年なのですが、会社にしたのは社会保険のためなのです。従業員から将来の不安を聞いて、従業員にも家族がいて将来があることに気づいたのです。そのことを考えたらまず社会保険に加入する必要があって、そのためには会社にしなければいけなかった。そこがスタートです。従業員の負担を軽くすることが、品質の向上につながる。品質にこだわるから、整骨院も最新の機械をいれて、自動で高さが調節できるベッドも導入しました。このベッドなんて、妻と2人で軽トラックを飛ばして名古屋まで取りに行ったのですよ。お陰で軽トラックをつぶしてしまいましたけれど(笑)」
――それはかえって高くついてしまいましたね(笑)


林「でも自分で出来ることはなんでもするのです。作っている無農薬の大根なんかも社員に配りました。すると野菜代の200円でも助かるじゃないですか。学校に行きたいという子がいたら、いい助成金を探してあげたりもします。ビルを自社物件にしたのも、いずれ誰かが独立する時にここでやらしてあげてもいいかなと思ったからです。そうしたら、コストが30万のところが20万とか安くすめば経営が楽になるでしょう。私は自分も大切ですけれど、他人に良くすることで、自分に返ってくると思うのです」
――林さんが従業員にしていることが、まわりまわって自分に返ってくることを実感されたりはしていますか。
林「彼らに投資したことが、利用者さんにまわって、それが地域に密着するということで、良いスパイラルが出来上がっていると思います。私は神輿の上に乗っているだけなのです。乗せてもらっているのだから、こういう昭和なやり方のいいところを残しつつこのスパイラルを維持していきたいですね」

 

徹底的に従業員に手厚い支援をする方針で、「げんき堂鍼灸整骨院」と「げんきリハビリデイサービス」の店舗数は増え好循環のスパイラルが着実に回転しています。精神論だけで従業員を動かそうとしたのではなく、オーナーである林さん自身が起点となって、会社の利益・リソースを従業員に注いだからこそ、この好循環は始まったのでしょう。
インタビュー中に林さんは何度か「変わっているのです」と言われましたが、従業員を大切にすることで仕事の品質があがり、顧客満足度が上がって利益もあがる。まったくまっとうなことをされているだけのようにも思えます。むしろ今の時代だからこそ、まず従業員の処遇を手厚く姿正社員化を目指す、その延長線上で独立も応援するというクラシックなやり方が【働き方改革】として輝いてしまうのでしょうね。

さかマガ8月号 7/20発行!!
さかマガ8月号 7/20発行!!