【お仕事発見!!南大阪の輝き人】介護老人保健施設 クローバー悠苑【さかにゅー求人】:

多くの人が長い老後を過ごすようになった現代。誰だって健康に過ごしたいと願ってはいますが、不意の事故や病気で介護が必要になってしまうこともまた誰の身にも起こることです。今回、【お仕事発見!!南大阪の輝き人】で紹介するのは、介護を必要とする方がなるべく早く自宅に戻ることが出来るよう機能回復訓練(リハビリテーション)を行う介護老人保健施設クローバー悠苑で輝くお2人です。

なんでもこのクローバー悠苑には、「ギニュー特戦隊(※)」と呼ばれるエンターテイメント集団がいるとか。なぜ、介護施設にそんな部隊が存在するのか。疑問符を浮かべつつインタビュースタートです。

※ギニュー特戦隊:世界的人気コミック/アニメ「ドラゴンボール」に登場するコミカルな悪役五人組。ボスである帝王フリーザの手足となって戦う。

 

■反発心から転職、仕事を任されて成長

▲クローバー悠苑の優等生枠? 介護士の吉村菜穂美さん。

 

輝き人のトップバッターは、入所3年半になる介護士の吉村菜穂美さんです。
――吉村さんは噂の「ギニュー特戦隊」なのですか?
吉村「私は違います! 違いますよね?(同席していた上司の廣田賢さんに)」
廣田「違いますね。彼女は優等生枠です(笑)」
――では、廣田さんが「ギニュー特戦隊」?
廣田「いえ、私も違いますよ。私は入ってません」
吉村「廣田さんは引き連れている方ですよね。フリーザ様の方ですよね」
廣田「そうですね(笑)。あとで取材していただくもう1人が特戦隊です」
――(笑)では、優等生枠の吉村さんにお聞きします。吉村さんがなさっているのは、どんなお仕事なのでしょうか。
吉村「何かしら生活がしにくいお年寄りの方、障害のある方のリハビリ、生活面、精神面をフォローしていく仕事です。利用者さんを送迎に行って、入浴介助、排泄介助、人によっては食事介助、それにリハビリのサポートをしています。また、いい気分転換をして楽しみながら生活をしてもらおうと、節分やお花見など一緒に楽しめるような行事を企画したりもしています」
――新卒でこちらに就職されたのですか?
吉村「いえ。飲食関係の仕事から転職しました。そのお店のお客様の中に介護職の方たちがいて『こういう子が欲しい』と言われたのです。丁度将来のことも考えていた時期だったのですが、私はコミュニケーションも苦手で、介護は自分には合わない仕事だと思いました。私を知る周囲も絶対無理だし合わないだろうと、特に親にも反対されたのですが、かえって反発心が起きて、根拠もなく私には出来ると言って、就職先を探してここに応募しました」

▲クローバー悠苑のフリーザ様? 総務課長の廣田賢さん。

 

――転職するにあたって、勉強したり資格をとったりはされたのですか?
吉村「自分なりには勉強しましたけれど、入るのに資格が必要な仕事ではないので、むしろ入ってから学ぶことの方が多かったです」
廣田「吉村は最近、随分意識が変化した感じがしますね。きっかけは何だったの?」
吉村「一年目は仕事を覚えるのに一所懸命で、二年目は何も考えてなかった。三年目でサブとしてですが仕事を任されたのがきっかけで頑張らないといけないと思えました。確か……最初は送迎の仕事で、次にお出かけの仕事でした」
廣田「送迎の仕事はすごく大変なのですよ。お出かけの方も、吉村がうまく業務を改善してくれました」
――それぞれどんなお仕事なのでしょう。
吉村「送迎は100名ほど登録されている利用者さんを送り迎えするのですけれど、当然100名ごとに住所が違いますし、人によって普通車の人、車椅子用の車両が必要な人と、色んな条件があるのです。それを配慮しながら送迎のルートを作ります」
――日によって条件は変わってくるでしょうから、それは空港の管制官みたいに大変ですね。お出かけの方は、どんな業務改善をされたのでしょうか。
吉村「お出かけは数名の利用者さんとたとえばカラオケにいったりすることもあれば、30数名で一斉に遠足にいったりすることもあります。安全第一で行きたいのですが、それまではルートに危険なポイントがあったり、現地で待たせる時間が長かったりしたのです。待っている時間が長い、寒いという声を頂いて、過去のデータを参照しながら、ルートを作り直しました。利用者の方からは良かったという声が多くて、その頃から仕事に対する意識も変わったと思います」
――意識も変化してきた吉村さんが、この仕事に対するやりがいを感じる所はどういうところでしょうか。
吉村「状態が悪い利用者さんが入ってこられて、うちを利用するうちにこれが出来るようになった、あれが出来るようになったりすることですね。自分でご飯が食べられなかった人がお箸を握れるようになったり、自分で出来なかった排泄が出来るようになった。そんな時に言っていただける『ありがとう』が本当に嬉しいです」

 

■医療と福祉の両方のアプローチで利用者の在宅生活を支える

 

 

――クローバー悠苑では、通所と入所でリハビリテーションを行っているそうですが、病院で行うリハビリテーションやデイサービスとはどう違うのでしょうか。
吉村「クローバー悠苑は病院と福祉施設の丁度中間の施設になります。医療的な専門性を持ちつつ、福祉的なアプローチを行っています。一番の特徴は多業種協働で多くの人が1人の利用者さんに関わっていることです。介護職だけでなく、理学療法士や作業療法士、医師に看護師、色んな人が集まって、それぞれの長所を生かしています。クローバー悠苑で行う会議には、在宅でサポートされているケアマネジャーやヘルパーの方などにも参加してもらって、その人の在宅生活を支えています」
――吉村さんたち介護職も利用者さんを多角的に支えるチームの一員として役割を担っているのですね。
吉村「利用者さんには必ず理学療法士がついて、リハビリのためにこういうメニューを取り入れてほしいというオーダーがきます。それを実行しながら、利用者さんがどんな状態にあるのか、どうしてほしいのかを理学療法士に伝えます。介護士は利用者の代弁者でもあるのです」
――仕事をしていてどういう所が難しいですか?
吉村「やはりコミュニケーションですね。私たちは利用者さんを決して主導してはいけないのです。私たちから見て、AかBの選択肢があってどちらを選べばいいのか明らかであっても、利用者さん自身の意志で選ぶようにしないといけない。でもいい選択肢を選んでほしい。それが難しいところです」
――コミュニケーションが苦手とおっしゃっていましたが、高いコミュニケーション能力が要求される仕事ですよね。苦手は克服されたのですか?
廣田「入所当初はもっと尖った感じでしたけれど、随分変わりましたね(笑)。殻を破ったような印象です」
吉村「友達にも丸くなったっていわれます。でも、まだちょっと殻をかぶっています(笑)」

吉村さんは当初から優等生だったというよりは、努力を積み重ねて周囲からも認められる介護士になったのでしょう。

 

■理学療法士から支援相談員へ、両分野を横断するキャリアアップ

▲理学療法士/支援相談員の加納直二さん。

 

さて、吉村さんに続いて登場していただいたのは、理学療法士でもある支援相談員の加納直二さんです。
――まず支援相談員というのはどういうお仕事なのでしょうか。
加納「この施設を使われる利用者さんやご家族に、ここがどういう施設なのかを説明したり、あるいは施設を出て行かれる時に、その後どうすればいいのかをサポートしたりする窓口のお仕事になりますね」
――理学療法士のお仕事とは全然違うお仕事のように思えますが、どういう経緯で支援相談員になられたのでしょうか。
加納「クローバー悠苑では5年間理学療法士としてリハビリをメインでやっていたのですが、こちらの廣田にすすめられて昨年の2月に支援相談員になりました。介護の施設で働く中で、利用者だけではなく家族や他の事業者と関わることは大事なことですし、仮に支援相談員から理学療法士に戻るとしても、この経験は役に立つはずだと、自分のスキルアップ・キャリアアップになるキーポイントだと思ってやってみることにしたのです」
廣田「加納は理学療法士の勉強をする前に、大学で福祉の勉強をしてます。そもそも両方の視点を持っていたのです」
――まさにクローバー悠苑にぴったりな人材なわけですよね。でも、加納さんはどうしてそんなキャリアを歩んでこられたのですか?
加納「私の家は両親が共働きで祖父祖母と一緒に過ごすことが多かったのです。一緒にゲートボールに行ったりして、おじいちゃんおばあちゃんがいる場で生活をしていました。そんな経験があって、漠然とマッサージ師や鍼灸師になりたいと考えていたのですけれど、文系コースだったので高校の面談の時にそれは理系の知識がいるから難しいので福祉の大学はどうかと勧められたのです。それで大学で福祉の勉強していたのですが、実習ではおじいちゃんおばあちゃんのお世話をしているだけ、極端に言えばただ高齢者の死を待っている間補助しているだけじゃないかという感覚になってしまって、もっと何かしてあげられないのかと思っていた時に、理学療法士の方とお話する機会があったのです。それで私はこれにむいているんじゃないか、福祉に特化した理学療法士がいてもいいんじゃないかと思ったのです。その後大学卒業して専門学校に入りなおしました。専門学校では病院への勤務を勧められたのですが、最初から福祉にいくつもりだったので、そっちには興味がないと断りました。それでクローバー悠苑に入職したのです」
――そんな紆余曲折を経て支援相談員になられたのですね。
加納「支援相談員になった最初は何をやっていいのかさっぱりわかりませんでしたけれど、今は家族さんや他の事業者さんと関わることができたり、新しい情報を与えてあげることが出来て楽しいですね。支援相談員は介護士からなるケースが多い中、自分は理学療法士として別の視点を持っている。介護士にないものを持てているのは自分の強みだと思っています」

 

――では、廣田さんにお聞きしたいのですけれど、加納さんを理学療法士から支援相談員にしたのは、どんな意図があってのことなのでしょうか。

廣田「丁度、組織が新陳代謝をする時期だと感じていました。それで次に誰を軸にするのか、コアな所にもってきたい人材は誰かというときに、医療と福祉の両方の視点をもっている加納がいいと思ったのです。医療の専門職の人間は、AかBならAとはっきり言うタイプが多い。しかし福祉系からのこうしたいという提案はエビデンスが弱かったりするのです。確固たる理由があるわけじゃないけれど、でも人間ですよね、というような。組織を見渡した時に、加納は大学で福祉課程にいて、福祉的な専門知識もしっかり持っている人間で、福祉のことも理解している。一番バランス良く考えをもっているのです」

医療と福祉の中間にあって、多角的な視点を持つ「クローバー悠苑」に両方の背景を持つ加納さんはぴったりの人材だったのです。そして、この加納さんには、医療と福祉、二つの顔に加えてもうひとつの顔があります。それが冒頭の「ギニュー特戦隊」です。

 

■ギニュー特戦隊は境界を越える

▲メンバー2人でギニュー特戦隊の決めポーズ。

 

――では、いよいよお聞きしますが、「ギニュー特戦隊」ってなんなのですか?
加納「人って笑うと楽しいじゃないですか。楽しんでもらえることが何か出来たらいいなと思っていたのですけれど、私は歌も歌えないし、何かできる芸があるわけではない。でも、体を張ることは出来るなと。それでコスプレをしてショーをしようと思ったのです。普段窓口に座っている相談員が上半身裸になったりしているギャップも面白がってくれる。家族さんとも打ち解けて、本音や真のニーズを聞き出せるようになったりもしました。変な恰好で組体操をするだけで、高齢者も喜んでくれるのですが、お年寄りだけでなく、ちびっこも大人も楽しんでもらえるエンターテイメントを目指そうとしたんです。それで近くの狭山池祭りがあった時に、職員の何人かで当時はやっていたふなっしーや『妖怪ウォッチ』のジバニャンのコスプレをしたらかなり受けが良くて、行脚しただけで注目を浴びました。後日、(コスプレイベントの)日本橋ストリートフェスタにも出たら、こちらでも受けてかなり写真を撮られたりしたのです」

 

廣田「これは忘年会ネタで留めておくのはもったいないということになって、地元のさやかホールを借りてハロウィンパーティーをすることにしたのです。今年で3回目になるのですが、200名規模のイベントになって、地元の方の入場をお断りしないといけないほどになってしまいました」
――一医療施設が行うイベントとしては、地元の方に来てもらったりして大規模なものですね。
廣田「はい。これは地域貢献、地域との関連性を深めたいという思いがあってのことなのです。クローバー悠苑は、施設の方向性としても医療的なカラーが強いので、地域との関連性にウィークポイントがあると思うのです。地域の人にとって、クローバー悠苑はリハビリを受ける人ぐらいにしか関心をもたれることはありません。だから、自分たちがただただ地域に向けて発信するだけでなく、地域の人もまきこんで一緒にやっていく必要があります。大人が思いっきり情熱をもってふざける姿を見せる。私たちだけじゃなくて、大学生のボランティアもスタッフに引き込んで、一緒に力いっぱいふざける。それをきっかけにして、福祉の面白さを知ってもらいたいのです」

 

 

――ただコスプレをして騒いでいるだけじゃなくて、広報や地域とのつながりという意味があったのですね。
廣田「よくノーマライゼイションと言われますが、ノーマルという定義について考えてしまうのです。福祉事業者のノーマル、地域に住んでいる人のノーマルは一緒なのかと。私たちが大学時代に遊びほうけていた時に思っていたノーマルは、今見ればアブノーマルです。私たちがノーマルだと感じていても、あくまでもこちら側の意見です。今のままでは若い人材がハードルを感じてしまっているのではないか、福祉って面白いという機会を与えているかは疑問です。そのためにも境界を無くしていくことが大切ですね」
加納「私もコスプレをする趣味があるわけじゃないですから(笑)」

 

■利用者の背中を押す従業員の背中を押す

 

最後に吉村さんにももう一度加わってもらい、クローバー悠苑の勤務体制や従業員への支援についてお聞きしました。
――勤務時間などはどうなっていますか?
吉村「通所リハビリは日曜日は定休日で、他に祝日の数がお休みになります。ゴールデンウィークのある5月は休みが多いのですが、祝日の少ない6月は休みがすくない。大体月に8日お休みになるでしょうか。勤務時間は朝8時45分から17時まで。送迎があるので、7時45分に来ることもあるのですが、そこは残業の手当てが出ます」
廣田「吉村のいる通所リハビリと加納のいる事務所は日勤のみですが、入所だと夜勤があって手当がつくので、そういうところでバランスをとっています」
吉村「残業はあまりなくて、月末の報告書作成の時が忙しくなるぐらいでしょうか。早く帰りたくなる時もありますけれど、それは仕事上必要なことなので、私は不満はまったくありません」
廣田「残業は可能な限り少なくしたいので、私は消灯を促す係りになっています」
――従業員へのサポートで嬉しいシステムなんかはありますか?
加納「ランチはいいですね。管理栄養士がいるランチがあって、食事手当がつくので実質無料です」
廣田「駐車場もタダですし、うちはそういうサポートがいいと思います。施設内に託児所もあるのですが、うちは三人子どもがいて、私がこちらに来ていたら預けることが出来るので、安いし助かります」
――加納さんと吉村さんはどう思います?
加納「うちは子どもはいないし、今奥さんも働いていないのですけれど、将来的には奥さんにも働いて欲しいと思っているので、託児所は利用したいと思います」
吉村「私は結婚していないのですけれど、将来の出産や子育ての時に知っている人が子どもを見てくれるというのは安心できますね」
廣田「出産、子育てをしても継続して働いてもらいたいですからね。それ以前とまったく同じとはいかないと思いますが、なるべく配慮します」

 

――キャリアアップの支援面ではどうでしょうか。加納さんは、人事異動で大きなチャレンジをされているところですが、吉村さんは?

吉村「外部研修への参加のサポートや資格取得のサポートがあるのですが、私は今介護福祉士の試験を受けていて結果待ちです」
廣田「大丈夫だと思いますよ(笑) 最初は資格は必要なくても、キャリアに伴って必要な資格は取ってもらうようにしています」
吉村「ここは職場の環境がいいです。人間関係がいいと思います。言いたいことを言いやすいです。上司も的確なアドバイスをくれるので安心できます」
廣田「従業員同士が適度に競争しあえて、学びの場として恵まれていると思います」
――従業員が働きやすい職場になっている理由はこの施設に通底している理念があるせいなのではないかと感じるのですが、今沢山の介護施設がある中で、クローバー悠苑の看板を掲げてこんな施設ですと一言で表すとしたらどうなるでしょうか?
廣田「うちの目的は、通所リハビリなら在宅生活の維持、入所なら在宅復帰機能回復訓練をしていて、利用者にとって決して長く住むべき施設環境ではないと思うのです。私たちがやっているのは、自立支援、背中を押す介護です。できることは自分たちで、ここでいいステップを踏んでほしいと思っています」
――なるほど。利用者の自立のために背中を押している施設だからこそ、同じように従業員の方の背中を押しているようにも思えますね。
廣田「そうですね。新しい人材が出てきたら、新しい道を作っていってもいいのかなと感じます。皆、常に自分の後任を意識しながら仕事をしていれば、そうなっていくのではないかと思います」

 

医療と福祉の丁度中間にあるという「クローバー悠苑」。多様な人材が関わる職場ということもあって、互いの個性を尊重する風通しのいい環境になっているのだと感じました。実はちゃんと理念があった話題の「ギニュー特戦隊」も含めてキャリアを形成する上で、色んな業種に接したり体験ができるのも魅力でしょう。自分の中のノーマル、境界を越えて成長したい。そう思われる方なら、一歩踏み込んでみてもいいのではないでしょうか。

 

 

さかマガ8月号 7/20発行!!
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