気温や湿度が上がり、赤ちゃんの肌トラブルが増える季節になりました。
「生後まもない我が子の顔に、急にブツブツが…」「これってアトピー?」と不安になっている保護者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、堺市中区にある『ひだまりこども診療所』の院長であり、小児神経専門医・小児感染症認定医としてアレルギー疾患の診療にも力を入れている藤田賢司先生(けんじ先生)に、乳児湿疹の原因と、お家で今日からできる「正しいスキンケア」について詳しくお話を伺いました!

※本記事は、以下の公的機関および学会が発信する信頼性の高い情報に基づき、けんじ先生の執筆および監修のもとお届けしています。
・国立成育医療研究センター(経皮感作・保湿とアレルギー予防に関する研究) 「世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見」
・独立行政法人 環境再生保全機構(スキンケアの基本に関するパンフレット) 「ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック」
・一般社団法人 日本小児アレルギー学会 「各種ガイドライン情報」
・Mindsガイドラインライブラリ 「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021」
・沖縄県医師会公式サイト
乳児湿疹の原因って?なぜ赤ちゃんは肌トラブルが多いの?
生後まもない赤ちゃんの肌は、実はとってもデリケート。大人の約半分の薄さしかありません。
生後2〜3ヶ月頃まではお母さんからのホルモンの影響で皮脂の分泌が盛んになり、ニキビのような湿疹(乳児脂漏性湿疹)が出やすくなります。
一方で、それを過ぎると今度は一気に乾燥肌へと変化します。バリア機能が未熟な赤ちゃんの肌は、汗、よだれ、食べこぼし、衣類のこすれといった少しの刺激で炎症を起こしてしまうのです。
一言で『乳児湿疹』と言っても原因は様々だからこそ、日頃のケアが重要になってきます。
乳児期の湿疹を放置して肌のバリア機能が壊れたままだと、そこからダニや食べ物のアレルゲンが体内に侵入し、将来的に卵などの食物アレルギーを引き起こす原因(経皮感作)になることが分かっています。
近年、日本の国立研究機関(国立成育医療研究センター)の研究でも、新生児期からの適切な保湿がアトピー性皮膚炎の発症リスクを3割以上低下させることが世界で初めて証明されました。
乳児期からのスキンケアは「アレルギー予防の第一歩」 であり、すべての皮膚治療の土台となります。

今日から実践!正しいスキンケアの3大基本
日本小児アレルギー学会などの各種ガイドラインに基づいた、スキンケアのポイントを教えてもらいました。
①洗浄:たっぷりの泡で、手で優しく洗う
◆泡が命! :洗顔料やボディソープは、しっかりと泡立てます(手のひらを逆さにしても落ちないくらいの弾力泡が目安)。
◆こすらない: ガーゼやタオルでゴシゴシこするのはNG!大人の「手」を使い、泡をクッションにして優しく撫でるように洗います。
◆しっかりすすぐ: 首のしわや耳の後ろなどは泡が残りやすいので、ぬるま湯で丁寧に洗い流しましょう。
②保湿:1日2回以上、テカるくらい「たっぷり」と
◆タイミング: お風呂上がり(5分以内)はもちろん、朝のお着替え時など、1日2回以上塗るのがベストです。
◆量: 塗った後の肌が「ティッシュがペタッとくっつくくらい」「光を反射してテカるくらい」が適量です。サラッとする程度では足りていないことが多いので、たっぷり使いましょう。
③薬の適切な使用:赤みがあるときは我慢せずお薬を
炎症(赤みや痒み)が起きている肌を、保湿剤だけで治そうとするのはかえって慢性化のリスクを高めます。
最新の研究でも、一度湿疹ができてしまった場合は、保湿剤だけでなく皮膚の炎症をしっかり抑える必要があるとされています。

夏は「塗りすぎ」がトラブルのもとに
高温多湿の夏は、保湿の塗りすぎが裏目に出やすい季節です。油分の膜を厚く塗り重ねると、汗の出口がふさがれてあせも(汗疹)ができやすくなり、汗と熱がこもることで雑菌も繁殖しやすくなります。
実際、タイなど日本と似た蒸し暑い気候の地域では、保湿剤を頻繁に塗っていた赤ちゃんのほうがアトピーが多かった、という報告もあります。
夏の保湿は、ベタつきの少ないローションタイプを「適量」で。
汗のたまりやすい首・わきの下・脚のつけ根への厚塗りは控えめにしましょう。
大切なのは「流してから、適度に」
夏のスキンケアでいちばん効くのは、実は保湿よりも「汗を流すこと」です。
エアコンの効いた部屋でも汗は出ています。外遊びのあとや寝起きには、シャワーでさっと汗を流し(石けんの使いすぎは乾燥のもとなので軽くで十分)、こすらず押さえるように拭いてあげてください。
そのうえで、必要な範囲に軽く保湿を。室温は高くなりすぎないように調整し、また不潔な肌の上から保湿すると汚れを閉じ込めてしまうため、汚れた肌の上から塗らないことも大切です。
まとめ|堺市で発達の相談なら、小児科専門医「ひだまりこども診療所」

赤ちゃんの肌が荒れていると、『私のケアが悪いのかな…』と自分を責めてしまうお母さんもおられますが、決してそんなことはありません。赤ちゃんの肌トラブルは、適切なケアで必ずきれいになります。
当院では、お薬の処方だけでなく、お家での具体的な塗り方や泡の立て方の指導なども丁寧に行っています。『これくらいで受診してもいいのかな?』と思わず、いつでも気軽に『ひだまりこども診療所』に相談しに来てくださいね。
「ひだまりこども診療所」の基本情報

[診療科目]小児科、アレルギー科
[アクセス]南海電気鉄道高野線 白鷺駅より徒歩約9分
[駐車場]あり(駐車場60台完備・駐輪場完備)
[電話番号]072-349-7421
[公式サイト]https://www.hidamari-child.com/