【まずは知ってほしい】堺市でも深刻な課題「部活動存続の危機…」に立ち向かう教師の情熱と奮闘:

野球、サッカー、陸上、テニス、バレーボール、バスケットボール、卓球、柔道、水泳、などなど。

学生時代に部活動を通じてスポーツに励んだ経験をお持ちの方も多いと思います。

成長期における健全な体力の向上はもちろん、チームワークの中でコミュニケーション能力を養ったり、責任感やチャレンジ精神を育むなど、スポーツに親しむことにはとても価値があります。

ところが、いま、そういった部活動が消滅してしまう可能性があることをご存知ですか?

特に中学校の部活動維持が困難となるケースが全国的に問題となっており、堺市においても例外ではありません。

この記事では、子どもたちの未来に関わる身近な問題として「部活動地域移行」を取り上げ、その現状や課題を知り、私たちにできることを考えていきます。

部活動の維持が困難な理由

公立中学校で部活動の顧問を受け持つ教員は、時間外勤務(残業)が当たり前という環境で働いています。

平日の授業後だけでなく、土日も活動している部活動では教員の負担が大きいことは容易に想像がつきます。

教員の働き方改革を進めていく上で、これまでの部活動のやり方ではすでに限界がきている状況です。

また、専門外のスポーツを受け持つ場合、精神的な不安や肉体的な負担も大きくなるため、顧問の成り手がいないという問題もあります。

さらに、少子化で部員数が減少し廃部となる部活動も増加…。

これらの理由で、全国的に中学校の部活動の維持が難しくなってきています。

部活動の地域移行とは

こういった課題を解決するために、国から新しい部活動の方向性が示されました。それが「部活動の地域移行」です。

「部活動の地域移行」とは、これまで教員が担ってきた部活動の指導を、社会教育の一環として捉え、地域の活動に移行していくこと(地域のスポーツクラブや関係団体が指導を行う)

スポーツ庁・文化庁の示すガイドラインでは、公立中学校の休日の部活動について、2023年度から2025年度までの3年間を改革推進期間として地域移行に段階的に取り組み、可能な限り早期に実現することを目指すことが示されています。

「部活動の地域移行」が進めば、教員の負担は軽減されます。

さらに、子どもたちにとっても、

・専門的な知識や技術を持ったコーチから指導を受けられる
・学校の部活動にない競技を選択できる
・他校の生徒と交流ができ人間関係を広げられる

といったメリットがあります。

しかし、現状は・・・

教員にとっても、子どもたちとってもメリットがある部活動の地域移行。

・・・が、肝心の「移行先」がないのが現状です。

堺市内どのエリアを見ても、部活動を移行できる団体やクラブはありません。

このままではやはり部活動の維持は難しい・・・。

誰かが動かなければ解決しない。でも、だれもやらない。

そんな状況に立ち上がったのが、堺市立野田中学校の体育教師である朝比奈 優 先生。

「子どもたちのスポーツの機会を守り、スポーツを通じて成長してほしい」という思いで、部活動の地域移行の受け皿となる新しい地域クラブを立ち上げました。

Escorde野田SC(エスコーデ野田スポーツクラブ)

朝比奈先生が中心となって創設されたのが、総合型地域スポーツクラブ「Escorde野田スポーツクラブ」です。

(R5年4月〜 準備委員会スタート・R6年4月〜 一般社団法人化予定)

総合型地域スポーツクラブとは
子どもから高齢者まで(①多世代)が、様々なスポーツ(②多種目)を選択でき、それぞれの志向やレベルに合わせて参加できる(③多様性)という特徴を持ち、地域住民が参画して、自主的・主体的に運営するスポーツクラブのこと。

クラブの理念

1. スポーツを通した「人づくり、健康づくり、街づくり」

2.スポーツに「地域間、学校間、経済等」の格差を生まない

3.堺市・全国の部活動地域移行のモデルとなる

左が朝比奈先生

このクラブ理念を実現するために、以下の指針を定めています。

①学校教育とリンクさせた指導
子どもの理解を深めて、成長に繋げる!

②情熱のある教員と地域の指導者の協力
様々な角度から子どもを支える!

③指導力の向上
子どもの未来に触れているため、指導者が学び続ける研修を行う!

④バランスの取れた活動体制
育成年代はバランスが大事!(スポーツだけではダメ)

⑤誰でも安心して通えるクラブ
経済面や国籍等を問わず、子どもたちが格差なくスポーツに取り組める環境を整備

⑥地域に根付き、応援されるクラブ
地域内で異年齢交流やボランティア等

活動実績

【サッカー・野田FC】

大阪府初の「地域クラブ」として大阪中学校サッカー選手権大会に出場!


【堺市ゴールキーパースクール】

トップレベルを知る経験豊富なコーチが指導。


【陸上競技】

毎週月・水曜日にナイターで活動。初年度入会者は33名。

今後のビジョン

朝比奈先生に今後の展望についてお話を伺いました。

朝比奈先生:「堺市内の中学校が部活動の地域移行を進める上で、その受け皿となる地域クラブは全く足りていません。

Escorde野田スポーツクラブは、堺市東区・堺市美原区の住民が対象ですが、この運営ノウハウを元に堺市の各エリアに総合型地域スポーツクラブを展開していきたいです。

まずはEscorde野田スポーツクラブが成功事例となり、堺市全体に子どもたちが安心してスポーツに触れ合える環境が整うことを目指しています」

 

部活動の地域移行が進むことで

①子どもたちがスポーツと触れ合う機会が守られる

②子どもたちが専門的な指導を受けられる

③教員の部活動による負担が軽減される

といったメリットがあることがわかりました。

そして、部活動の地域移行を進めるためには地域の理解や協力が不可欠です。

では、具体的に私たちに協力できることはなんでしょうか?

私たちが応援できること

知ること

公立中学校の部活動の維持が困難という状況はご存知でしたか?
まずは、この記事を読んで現状を知っていただいたこと自体が大きな応援です。
知ることで「自分には何ができるんだろう?」と考えてくださった方も多いのではないでしょうか。

人に伝える

このような現状を知らない方へ伝えることで、それを知った方が何か行動を起こすかもしれません。まずは身近な方へ伝えることで、そこから自分だけでは伝えられなかった人まで情報が届いたり、自分ではできないような支援が発生する可能性もあります。

寄付・スポンサー

クラブの運営にはやはりお金も必要です。寄付やスポンサーで集まったお金は、参加者の負担を軽減したり、優秀な指導者を確保したり、設備を維持するために使われます。

能力や場所の提供

スポーツ経験のある方は、指導者として自身の知識や技術を活かせるかもしれません。
また、グラウンド・体育館・道場などの所有者の方であれば活動場所を提供していただくことで、子どもたちの活躍の場が広がります。


お問い合わせ・連絡先

【エスコーデ野田スポーツクラブ】
TEL:090-7765-9606(事務局長:朝比奈)
メール:masaru.5709@icloud.com
HP:https://www.escode-noda-sc.com

インスタグラムはこちら

まとめ

今回、野田中学校の朝比奈先生から連絡をいただき、お話を聞かせてもらったことで、このような現状を知ることができました。

ただでさえ忙しい教員としての業務と並行して、0から地域スポーツクラブを立ち上げるのはどれほど大変だったことか・・・想像を絶します。

「未来ある子どもたちのために」という思いを原動力に、Escorde野田スポーツクラブは動き出したばかりです。

地域と学校の結びつきを深め、子どもたちに新たな可能性を提供する部活動の地域移行は、子を持つ親として、地域の課題として、決して他人事ではありません。

子どもたちにとって豊かな成長の場が増え、地域を活性化できるこの取り組みに、私たち一人一人がどう関わっていけるか、一緒に考えてみませんか?


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