現在、深刻な人手不足を背景に、積極的に主婦を採用しようとする企業が増えています。
一方、子育てや介護が一段落したなどの理由から、再び社会に出てキャリアを積みたいと考える専業主婦も増えてきています。
総務省統計局の労働力調査によると、2018年の女性の就業者数は2946万人で、2013年から6年間連続で増加しています。女性の労働力率をグラフにすると、結婚・出産の時期に低下し,育児が落ち着いた時期に再び上昇する、いわゆるM字カーブを描くことが知られています。しかし近年ではM字の谷の部分が浅くなってきており、多くの主婦たちが働いていることがわかります。
世の中が主婦のパワーを求めています
アラフォー世代の主婦への求人が増えた原因として考えられるのが、少子化などによる慢性的な人手不足です。今の40代は第2次ベビーブーム世代にあたり年間約200万人が生まれていましたが、30代以下の年間出生数は約100万人と少子化が進行。それに伴い15~64歳の労働人口も減り、労働力不足が続いているのです。
そこで出産などをきっかけに仕事を辞めた主婦の力を、社会で活用しようという動きが活発化しています。特に人材不足に悩む中小企業にとって、社会人経験や子育てをしてきた主婦は「即戦力」なのです。主婦として家事をこなし、家族を支える中で磨かれてきた「主婦力」というスキル。これは、会社で働く際にも強力な武器となります。
いわば主婦は「経験とスキルを備えた秘密兵器」なのです。
「主婦力」とは具体的にどんなもの?
主婦たちは日々家事をこなしながら、知らず知らずのうちに社会で働くためのさまざまな力を培っています。どんな力を身に付けているのか具体的に見てみましょう。
○コミュニケーション力
まず、企業が主婦に期待しているのは「コミュニケーション力」です。たとえば世代を超えて、義理の両親、親戚、ご近所さんたちと柔軟に対応できる力。相手に安心感を与え、ほどよい距離感で交流することのできる高い「コミュニケーション力」は、まさに「主婦力」の代表格です。
○段取り力
来る日も来る日も、終わることのない家事。限られた時間で家事をこなすには「段取り力」が欠かせません。毎朝のお弁当作り、洗濯機を回しながら掃除をしたり、夕食に複数のおかずを用意したり…などなど、「段取り力」がなければ主婦の一日は終わりません。こんな主婦たちが働き始めれば、終業時間までに仕事を終わらせるために、いかに効率よく仕事をするかを「段取る力」を発揮することでしょう。
○マネジメント力・プレゼンテーション力
「マネジメント力」も主婦経験から養われます。子どもの健康管理に気を配ったり、家族全員のスケジュールを把握したりというのは、まさにマネージャーの仕事。主婦が風邪で寝込んでしまったら、他の家族は何をどうしたらいいかわからず、困り果ててしまったという話はよく聞きますね。
さらに地域やPTA活動の中で、何かを提案した経験があれば、それは「プレゼンテーション力」として評価されるでしょう。キャリアウーマンだけのものと思わがちなマネジメント力・プレゼンテーション力を、主婦の皆さんはすでにお持ちなのです。
○コスト改善力
毎月の家計で赤字を出さずにやり繰りする。これはまさに「コスト改善力」です。普段はできるだけ安い商品を求めてスーパーをはしごしても、ここぞという時には家族のために奮発して楽しい思い出をつくる力。家庭という組織の収支を任せられている主婦は、すご腕経理担当と言えるでしょう。
ブランク問題がちょっと心配
専業主婦期間が長い人は、「自分には社会に出て働く能力がない」などと考えがちですが、ブランクのある人材ならではの良さもあるといいます。
ブランクを経て就職した主婦は、働きたいという気持ちが強く、モチベーションが高い傾向があります。ブランクを取り戻そうという気持ちから向上心が高く、採用されたことをありがたく感じているので、人一倍仕事熱心です。
子育てやPTA活動などを通じて、会社員とはちがった視点や幅広い経験を持っています。そこで身に付けた忍耐力も、働く上での強みになります。
さらに結婚・出産などの女性にとっての大きなライフイベントが終わっているので、離職リスクが低いのも企業にとっては魅力です。
では、キャリアにブランクがあっても、社会に出てステップアップしていけるのは、どんな人でしょうか?
それは「ブランク期間を、ブランクのままにしない行動力」のある人です。ブランク期間でも、いくらでも有意義な活動はできます。大切なのは、何事にも真剣に取り組むこと。「地域のボランティア活動に参加した」「PTAの役員を、子どもが卒業するまで続けた」「習い事の発表会でまとめ役をやった」こうした経験が、主婦を即戦力ととらえる企業に評価されているのです。
まだまだ役立つ過去のスキル
今の40~50代女性の多くは、結婚前や出産前に働いた経験があります。伝票がまだ手書きだった時代を知っている一方、パソコンやスマホもある程度使いこなせる世代。ですから多くの企業から「事務スキルが高い貴重な人材」として注目されているのです。
退職前の実務で培った知識やスキルにも期待が寄せられています。専門知識や資格があればもちろん有利ですが、エクセルやワードなどのパソコン操作、電話応対などの基本的なビジネススキルは、現在でも十分に役立つもの。残業ができないなどの制約があるので、時間内にきちんと結果を出すことへの期待も強いといいます。
意外に思われますが、学歴が高くキャリアを持つ女性ほど、専業主婦をしているケースが少なくないんです。彼女らが経験してきたような仕事を再開しようとすると、勤務地やフルタイムでの就労がネックとなるのだとか。語学力や交渉力、ビジネスマナーを身に付けた専門性の高い人材が、専業主婦のなかに眠っているのです。
なによりも重要なのが決断力
専業主婦が働くために、何よりも重要なのは「私は働く」、と決心して一歩を踏み出す決断力です。ブランク期間が長いと、「私にできるだろうか」「上司や同僚とうまくやっていけるだろうか」などと不安になるのは当然。その不安に負けず、勇気を絞り出して飛び込んだ人は、やはり強いです。
たしかに仕事や職場に慣れるまでは大変です。最初から人間関係につまずいて悩むこともあるかもしれません。けれど年上だとか年下だとかに関係なく、素直に「教えてください」と学ぼうとする姿勢さえあれば、きっとうまくやっていけますよ。勇気を出して、一歩前へ踏み出してみませんか。
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